day77. 2016.3.18 Nepal/Lo Manthang~Katmandu
今日はローマンタンからムスタン王国を出て、ジョムソンへ戻る日。
行きは景色を見ながら4日間トレッキングで来ましたが、帰りは歩いて帰る気力もないので乗り合いジープで戻ります。
チケットカウンターで一人(3000ルピー)で、Chusangまで行きそこからジープを乗り換えて1日でジョムソンまで戻れる。
4日間かけて登ってきたのに、ジープを使えば1日で戻れるってなんか切ない。
7人乗りのジープに、運転手、僕たち4人とガイド、観光できたネパール人3人の合わせて9人を乗せ出発。
僕と妻はフロント座席。
道とも言えないような場所をどんどん進んで行く。
アトラクションに乗ってるような感じで"この時"は大はしゃぎ!
景色も絶景だし、急な斜面も荒れ道もジープはものともしないで進んで行く。
歩いている時を思い出しながら『ここの峠キツかったね!』とか『ここからそこまで半日歩いたのに〜』とか思い出しながら、ジープの中で会話が盛り上がる。
途中の道でがけ崩れが発生した為、ここでジープを乗り換えます。
ドライバーも変わり、若くいかにも飛ばしそうな感じの風貌。
ネパール人って結構運転荒くて、ここまで来るバスとかでも崖ギリギリの、片側一車線分しかない道を平気で前の車を追い抜こうとする。
対向車が来ても怯むことなく、追い抜いていく。
カトマンドゥからポカラの主要道路でさえ、道はかなり悪くすぐ横は崖。
バスとトラックが衝突した現場も目撃してるし、結構事故が多いらしい。
乗り換えのジープに移ると、運転手は直ぐにhip-hop系の音楽に合わせて、アクセルをガンガン踏み込む。
席も変わり今度は、妻同士がフロントに座り僕たちは男同士は一番後ろの席。
後部座席に座っていた僕は、あまりのスピードに必死にシートにしがみつく。
走り始めて数十秒、カーブに差し掛かったジープ。
遠心力で体が振られる。
ヤバイッ!
っと思った瞬間、体が宙にフワッっと浮かぶ感覚のあと。
気がついた時には、逆さになったジープの車内に。
『みんな大丈夫かっ!』
必死でみんなの生存を確認する為、大声で叫ぶ!
僕と一緒に後部座席に座っていた、ガイドとHさん(夫)の無事は確認。
妻の名前を呼ぶ、なんとか返事があり生きてはいる。
車内にいる妻を見ると全身血だらけ…僕は背筋がぞっとした。
一緒に乗っていた、運転手はガラスで体を切ったのか全身血まみれ。
運転手の隣に乗っていた妻は、返り血を浴びて真っ赤になっていた。
どうやら妻の血ではなかったようで一安心した。
だけど、Yさん(妻)の返事がない。
とりあえず逆さになったジープから抜け出す。
近くの村から住民が駆け付けてきて、なんとかみんな救出された。
這い出て見てびっくり、綺麗にジープは逆さになり、崖ギリギリの所で止まっている。
あと少しでも場所がズレていたら、確実に崖に落ちて死んでいた。
妻も僕も体に打ち身こそあるが、奇跡的に大きな怪我はしてないようだ。
問題はYさん(妻)、頭を強く打ったのか額に大きなコブができて意識も朦朧としている。
代わりのジープで一番近くの大きな町ジョムソンまで行くことはできるが、頭を打っているし、この荒れた道を1時間以上乗るのは危険と判断。
近くの村までとりあえず向かい、至急カトマンドゥから助けのヘリを呼ぶ。
助けが来るまで、保険申請のために僕とHさん(夫)でジープの事故現場の写真を撮る。
原因は明らかなオーバースピード。
カーブを曲がるために、ハンドルを切った瞬間に横転したのだろう。
車内にはまだ生々しく血痕が残っている。
フロントの真ん中に座っていた妻が無傷なのが奇跡だった。
体の痛みや怪我よりも、もう少しで死んでたかもという恐怖がじわじわと湧いてくる。
妻は恐怖で涙を流し、震えている。
二人とも『死』の恐怖を味わったのは初めて、半月以上たった今でもバスや車を乗ってカーブで重心が傾くとあの時の光景を思い出す。
ヘリを呼んで3時間ほど村のゲストハウスで待っていると、Yさん(妻)の意識もはっきりとしてきた。
一応みんな大きな怪我は今の所ないようで、少し安心。
4時間くらい経ち、救出のヘリが到着。
初めての乗るヘリがこんな時じゃなかったら楽しかったのに…
ヘリの操縦士はスペイン人。
ネパール人の若者じゃなくて少し安心…
って思った途端、陽気なスペイン人は怪我の具合を確認し、重症じゃないと判断したのか、なぜかアクロバット飛行を披露。
山すれすれを飛行したり、車体を思いっきり傾けたりして僕たちを楽しませようとしてくる。
『どうだ!楽しいか!』って、ドヤ顔でハニカム、スペイン人操縦士。
イヤイヤそんなサービスいらんって!こっちとは事故にあったばかりでそれどころじゃないし。
しかも昨日ヘリが山に追突して、乗客全員死亡したってニュース聞いてるんですが…泣
妻達は恐怖で顔が引きつって今にも泣きそうになってるし。
僕はせっかくのヘリなので写真はきっちりと撮りましたが…
カトマンドゥ上空。
バスだとジョムソンまで3日間かかるところ、ヘリだと山を越えてたったの1時間ちょい。
カトマンドゥの空港に到着し、救急車で病院まで。
病院で精密検査を受け、妻と僕は異常がないのを確認し宿へ。
△◻︎夫婦は、Yさん(妻)の安静のため検査入院。
宿に到着し、10日間ぶりにシャワーを浴びてベットに着く。
まだ頭の中では、1日にいろいろなことがありすぎて処理できない。
妻は体は軽症だけど、精神的な恐怖が取れないで急に涙を流したりしている。
今は本当に生きてて良かったと…
死の恐怖を味わって初めて、『生きている』ってだけで幸せなんだって思えた経験でした。
もう二度としたくない経験だけどねっ!
あ〜本当に生きてて良かったぁ…
ちなみにヘリの搬送費用は100万円!
保険にもしっかり入ってて本当によかったです。
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